データベースマーケティングとは?
意味や活用事例を詳しく解説

データベースマーケティングとは?意味や活用事例を詳しく解説

データベースマーケティングは、集まった膨大なデータを活用するために欠かせないマーケティング手法として注目されています。企業ごとに蓄積されたデータを有効活用すれば、効率的に業績を伸ばすなどの効果が期待できます。この記事では、データベースマーケティングの意味やメリットのほか、参考にするための具体的な活用事例などを解説します。

まずCRMとは、Customer Relationship データベースマーケティングとは、顧客の属性や購買履歴、アンケート回答などの情報を一元的に管理し、顧客のニーズやし好に合わせたアプローチを行うマーケティング手法です。コンピューターで一元的に管理される情報を「データベース」といい、顧客の年齢や住所などの「顧客属性データ」と購買金額などをまとめた「購買データ」の2種類があります。

データベースマーケティングでは、新規顧客を開拓するよりも購買履歴のある顧客を継続的に管理し、売上を伸ばすことを主な目的としています。たとえば、顧客が購入した回数や時期などの詳しいデータを把握できるため、次回に購入するタイミングに合わせてステップメールを送付して、継続的な購買に向けたプロモーションが可能です。データベースマーケティングによってデータベースを効果的に活用するのであれば、顧客との関係性を長期にわたって継続させることも期待できるでしょう。

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CRM(Customer Relationship Management)は、顧客満足度を上げるためのマネジメント手法です。CRMの主な目的は顧客との関係を強化することにあります。顧客情報や購買履歴などのデータをコンピューターで管理し、顧客に合ったアプローチにより収益を上げるのがCRMです。一方、データベースマーケティングは、CRMで得られたデータをもとにして顧客ごとに適切なマーケティング手法を行います。

たとえば、20代女性の顧客が毎朝美容にいいドリンクを飲んでいるというデータがあれば、その顧客に対してさまざまな美容にいいとされるドリンクを提案するのがCRMです。蓄積した顧客情報から、美容にいいドリンクを購入する人の傾向を分析し、時期によってどの美容にいいドリンクが好まれているかを施策に反映させるのがデータベースマーケティングです。

CRMによってすべての顧客データを管理したうえで、長期的にアプローチを行うのがデータベースマーケティングです。つまりCRMのデータベースから目的に応じて必要なデータを選び、顧客に合ったマーケティングを行うのが活用のポイントです。

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データベース マーケティングを行うメリット

ここでは、データベースマーケティングを活用することで得られるメリットについて項目ごとに説明します。

データベースマーケティングでは、企業ごとに蓄積された既存の顧客情報をデータベースとして活用します。そのため、データのもととなる顧客は企業の商品やサービスを利用している、または興味があるというケースと考えられます。データベースマーケティングにより、長期的に段階を踏みながら適切なアプローチをすることで受注する確率は一層高まります。たとえば、企業への問い合わせやセミナーへの出席、商談を行ったなどの顧客データがあれば、顧客情報が詳しく得られるため、無駄なく販売促進ができます。商品に対する興味がある顧客にアプローチするほうが新規顧客よりもニーズの把握が適切になるため、受注の取りこぼしも減るでしょう。

ITを駆使してデータベースを管理するのがデータベースマーケティング。そのため、蓄積された企業のデータ量に比例して分析の精度も高まります。従来では人が手動で行っていたデータ管理などの手間を減らすことも可能になるため、データベースマーケティングは効率の良い販売促進の手法です。また、顧客の行動分析も、より詳しく行うことで販売促進の効率化を図れます。たとえば、メールによる販売促進方法では「30代、男性、会社員、一人暮らし」などとターゲットを絞ったうえで定期的に送付します。ステップメールやダイレクトメールで効率よく配信できるのがデータベースマーケティングの大きなメリットです。

一般的に企業の顧客データは営業部が把握していることが多いため、分析する際にも担当者の感覚に頼りがちです。データベースマーケティングではコンピューターによる一元管理を行うため、企業内で情報を共有できます。これにより、顧客に対して社員は同じ情報をもとに適切できめ細かい販売促進行動を行うことが可能になります。従来では、顧客の営業担当者が異動や企業を退職したような場合には、情報不足により対応の質が低下する事態もありました。

しかし、データベースマーケティングによって情報の共有化が行われるのなら、新たな担当者になってもサービスの質が低下することを避けられます。本来の目的である顧客との信頼関係を失うことなく、さらなる関係性の強化につながるメリットは大きいでしょう。

従来の人的手法では、営業などに一定の人件費がかかることは避けられません。データベースを活用すると、すべてを人の手で行うマーケティング手法よりも、その分の人的コストを削減できます。同じように商談を行う場合でも、データベースマーケティングなら顧客データを属性ごとに区分けして対応することが可能です。このほうがピンポイントでの販売促進ができるうえに、営業にかかる人的コストも削減できます。

ダイレクトメールを送付する場合には、問い合わせをしてきた顧客データなどをもとに興味のある人に対して行うため無駄がありません。たとえば「化粧品について問い合わせをしてきた40代女性」の場合は、商品に興味があることが分かっているため販売促進効果も高まります。人件費を削減しながら売上アップが期待できる点もメリットです。

データベースマーケティングでは、長期的で継続的なアプローチをすることが目的です。顧客が興味を持って企業の商品やサービスを利用した、問い合わせをしてきたといった情報を蓄積して活用する手法なので、顧客が商品を必要とする時期も分析できます。データを活用すれば適切な時期に顧客へのアプローチを行うことが可能です。これにより、顧客のニーズが発生する時期に、ほかの商品へ目移りし購入してしまうリスクを回避できるメリットが得られます。

たとえば、データベースにある顧客データをもとに、既存の顧客に対し定期的にメルマガを配信しておけば簡単に忘れられるような事態は避けられるでしょう。効果的な配信を継続して行えば、顧客が商品を必要とする時期に思い出して購入するという行動が期待できます。

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データベースマーケティングを効果的に活用している事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ 株式会社(CCCマーケティング)は、子会社であるTポイント・ジャパンを通じてポイントサービスを提供しています。国内の約6割の人が利用するTポイントの会員データの集約や分析を行っています。 CCCマーケティングでは、購買データとTポイントカードをひも付けて、「どの顧客が」「何を買ったのか」を可視化するシステムを導入。このシステムにより、顧客層や売れ筋商品を明確にできたため、優良顧客の特性を捉えた品揃えを提供するなどのデータマーケティング施策を打ち出すことに成功しました。そのため、効率よく利益を出せる販売促進を可能にしています。

株式会社あきんどスシローは、全国展開を行っている回転すしチェーン店です。回転すしという特性から、作ったあとに店内で回転しているすしについての把握をするのが課題とされてきました。同じように回転しているすしは、いつまでも顧客が食べなければ鮮度が落ちていきます。回転しているすしについて情報を把握するには手間がかかります。そこで、株式会社あきんどスシローではすし皿にICタグをつけて一元管理を実現しました。

これによって、全国の店舗で注文されたすしの種類や時間、廃棄処分の量、売上データなどの膨大なデータを共有しています。従来では人の感覚や経験に依存していた部分の効率化を図れるようになりました。

株式会社ヤクルトは、国内屈指の飲料メーカーとして知られています。国内だけでなく海外にも多くの支店を構え、店舗での販売に加えてアジアでは宅配や企業への配達、西欧ではスーパーマーケットでの店頭販売なども行っています。多くの店舗を展開しているため、データの分散による管理の難しさが課題でした。株式会社ヤクルト本社では、データベースマーケティングを導入し、膨大なデータを一元管理することで課題を解消しています。データベースマーケティングにより、1スペースあたりの商品の回転率、競合他社の商品売上との比較などの数値化が可能になりました。客観的なデータを把握できたことで、適切な戦略により売上アップにつながっています。

データベースマーケティングに活用できるデータのひとつに、レシートデータがあります。レシートには、顧客の思考や市場の実態を把握できる有益な情報が満載です。具体的にはレシート1枚で、日付・時間・商品名及び金額(値引・単価・個数)・合計金額・電話番号、さらには購入した店舗のチェーン名・店舗名などの情報からユーザーのリアルな購買行動を把握できます。

「膨大なデータを自社で集計・分析するには時間がかかる」とお悩みの方はBIツールの導入がおすすめです。「IDレシートBIツール」は独自で構築した膨大なレシートデータから、コンビニエンスストア・スーパー・ドラッグストアなどの店舗別の売れ行きを可視化しています。自社と競合商品の実売価格・売上が確認でき、顧客の理解だけではなく、商談時の資料としても利用可能です。

「IDレシートBIツール」の詳しい情報はこちらをご覧ください。

データベースマーケティングは、企業内に蓄積された膨大な顧客データを一元管理するマーケティング手法です。データを活用することで効率的なアプローチが可能になり、商品を受注する確率を高める効果が期待できます。また、顧客のニーズを的確にとらえて販売促進でき、人的コスト削減効果も得られるなど多くのメリットがあるのも特徴です。成功している具体例を参考にして導入し、売上アップを目指しましょう。

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